日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱・大乃国)が2日、1都3県から政府に緊急事態宣言発出が要請されたことを受け、代表取材に対応した。
初場所は10日に東京・両国国技館で初日を迎える予定。芝田山部長は「国が協議をして、どんな見解を出すか。それを踏まえて協会はどう判断をするか。まず執行部で話し合い、必要なら理事会となる。きのう(1日)はそういう状況(緊急事態宣言)になっても相撲はやりたいと言ったが、できるかできないかはこれからの段階」と慎重に推移を見守っていく構えを見せた。なお昨年夏場所は緊急事態宣言の延長などを受け、中止となっていた。
国の方針に沿うのが前提だが、芝田山部長は初場所開催に関してあくまで私見と強調した上で「無観客として、内々の中でやる形もある。それは私見だから、何とも言えないけど、やり方はいろいろある」とも話した。いずれにしても初日まで時間はなく、「(開催を)もう2週間遅らせるということはできないからね。何とも厳しい。理事会をやるとなれば、どっちにしろ緊急になる。日にちがない。今の状況では難しい判断になる」と悩ましい胸の内を明かした。
また12人の新型コロナウイルス陽性が確認された荒汐部屋に関して、芝田山部長は「それぞれ症状のある者は入院した。ぜんそくを持っている者もいる。咳が出たり、熱の症状とかもあるので。専門家の先生が動いてくれている」と明かした。ただ「医療機関が逼迫(ひっぱく)しており、これ以上だと病院に入れるのが難しくなる」と危機感を示していた。