厚生労働省は26日、英国から帰国後に新型コロナウイルス感染が判明した30代男性から、コロナの変異種が確認されたと発表した。英国で感染拡大しているのと同様の変異種で、男性の家族からも確認された。空港検疫以外での確認は初めてで、厚労省や国立感染症研究所がウイルスの構造などを調べている。<下へ続く>
変異種への感染は、空港検疫で男女5人が確認されており、男性とその家族は6、7人目となる。
変異コロナ、検疫や解析強化を 個人の対策変わらず―専門家
厚労省や関係者によると、変異種への感染が確認されたのは、東京都内在住の30代男性機長と家族の20代女性。いずれも都内の医療機関に入院している。
男性は16日に帰国。21日にせきや頭痛の症状が出て医療機関を受診し、PCR検査で陽性が判明した。女性は男性の濃厚接触者に該当し、23日に男性と同様の症状を訴えて医療機関を受診していた。
2人とも不特定多数との接触はない。2人の濃厚接触者には自宅待機などの対応が取られているという。
世界保健機関(WHO)によると、英国の変異種は従来種よりも感染力が最大7割強いとされる。重症度やワクチンの有効性に影響を与える証拠は見つかっていない。
厚労省によると、英国の変異種と同様のタイプは、国内では18~21日に羽田空港と関西空港に到着した10歳未満~60代の男女5人から初めて見つかった。60代男性は倦怠(けんたい)感を訴えているが、残り4人に症状はないという。