大相撲の横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が16日、都内で引退会見を開いた。
師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)とともに入場し、「私、稀勢の里は今場所をもちまして引退をし、年寄・荒磯として後進の指導にあたりたいと思います。現役中は大変お世話になりました。ありがとうございました」と挨拶した。
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引退を決断しての心境を「横綱として、皆様の期待に添えないというのは、非常に悔いが残りますが、私の…土俵人生において、一片の悔いも残っていません」と絞り出した。
横綱審議委員会からの「激励」の決議を受け、再起をかけた今場所は「覚悟を持って、場所前から過ごして、場所前から稽古してきました。自分の中で、これでダメならという気持ちがあるくらいいい稽古をしました。その結果、初日から3連敗して。自分の中では一片の悔いもありません」と振り返った。状態についても「非常に、ケガをして以来、自分の中では、一番いい動きができていたので、自信を持って臨みました」と語った。
17年に負った左大胸筋などのけがについての質問を受けると、言葉を詰まらせ涙があふれた。会見中には、何度も目元をぬぐった。しのぎを削ったモンゴル出身の朝青龍、白鵬、日馬富士ら各力士についての質問には「横綱朝青龍関をはじめ、モンゴルの横綱たちのおかげだと思っていますし。あの人の稽古ですね。巡業中、見て、背中をおっかけて少しでも強くなりたいと思って稽古しました」と振り返った。
02年春場所で初土俵を踏んだ。17年初場所後に横綱に昇進。横綱の在位は12場所だった。
同日に行われた理事会で引退と年寄「荒磯」の襲名が承認された。