◇体操NHK杯最終日(2018年5月20日 東京体育館)
キングが復活した。4月の全日本選手権の得点を持ち点とし、男子個人総合が行われ、内村航平(29=リンガーハット)が合計258・629点で10連覇を達成した。全日本は3位だったが、この日の6種目で安定した演技を披露して全日本1位の谷川翔(かける、19=順大)、同2位の白井健三(21=日体大)を鮮やかに逆転。今大会2位以内の条件を満たし世界選手権(10~11月、カタール・ドーハ)の代表にも決まった。
【写真】全日本個人総合選手権では厳しい表情を見せた内村だったが見事に復活
7連覇が懸かっていた昨年の世界選手権は、予選の跳馬で左足首を痛めて無念の途中棄権。全日本でも3位に敗れ、連覇は10でストップした。重圧から解放された29歳は、今大会に向けて「勝ち続けるという部分では何もなくなってしまった。自分の演技だけと向き合えてきた」と話していたが、唯一残っていたNHK杯のタイトルを防衛した。
昨年の世界選手権には悔しさしか残っていない。「体操をする場所を奪われた感じ。落ちるところまで、落ちた」。リベンジするため、代表入りという第一関門は突破。団体総合の連覇、個人総合のV奪回へ。キングが、再び王道を歩み始めた。