県教育委員会の救急救命講習会が22日、山形市の山形国際交流プラザで開かれた。プロレスラーでニューワールドアワーズスポーツ救命協会代表理事の蝶野正洋さんが救急救命の重要性を訴え、心肺蘇生法と自動体外式除細動器(AED)の操作法を実演した。
蝶野さんは「スポーツの喜びと競技の安全」をテーマに講演。ライバルの橋本真也さんや三沢光晴さんの急逝を機に競技の安全や救急救命の重要性をより考えるようになったという。さらに東日本大震災発生直後の被災地ボランティアがきっかけで「プロレスラーとしてできることは、勇気と救急救命の知識を広めることだと思った」と、協会設立の経緯を語った。
また「思いやり」の大切さを繰り返し呼び掛け、「プロレスラーも思いやりがあるから戦える。特にスポーツをしている人、若者たちに知識を持ってほしい」と話した。
蝶野さんは山形市消防本部の救急救命士川合享さんと共に、人形を使って心肺蘇生法とAEDの操作法を紹介。その後、県体育協会スポーツ指導員の池田めぐみさん、山形市の日本体育協会公認アスレチックトレーナーの矢萩裕さんとのトークセッションがあった。
講習会は昨年6月に山形商業高野球部の男子生徒が部活動中に倒れて死亡したことを受け、保護者や地域住民のAEDに対する関心を高めようと企画した。