菅義偉官房長官は21日の記者会見で、毎年3月に東京都内で開いてきた政府主催の東日本大震災追悼式について、発生から10年となる2021年を最後に打ち切る方針を明らかにした。菅氏は理由として「10年というのは、ある意味で一つの節目だ」と説明した。
1995年の阪神大震災の追悼式典は兵庫県などの主催で神戸市内で開かれ、発生10年後の05年までほぼ毎年、歴代首相が出席していた。
政府は21日の閣議で、今年3月11日に東京都千代田区の国立劇場で、秋篠宮ご夫妻が出席して東日本大震災9周年追悼式を開くことを決定。21日付で内閣府に準備室を設置した。閣議の席上、菅氏は政府主催式典の今後の在り方について「発災から10年となる来年まで実施したい」と述べた。
この後の会見で、菅氏はこれまで被災地から「地元で追悼式をやりたい」「関係閣僚が地元に出向いてやるべきだ」といった声が寄せられていたと指摘。「いろいろな議論があったが、とにかく政府として10年まではしっかり主催し、後についてはその時の状況を勘案しながら決めていくのが自然ではないか」と述べた。