日本相撲協会は31日、鳴戸部屋の三段目力士が同部屋に所属する未成年の弟弟子に対して、暴力を含むいじめを繰り返していたことを発表した。
芝田山広報部長(元横綱・大乃国)によると、加害者力士は昨年9月頃から今年の1月中旬までの間、仕事の失敗の罰という名目で被害者に対し柔道の絞め技をかけ、失神させる行為を約10回繰り返したという。12月頃からは別の弟弟子に命じて絞め技をかけさせ、一度失神に至った。救急搬送されるような事態にはならなかった。被害者力士が今年の1月、部屋のマネジャーに相談して、いじめが発覚。マネジャーが鳴戸親方(元大関・琴欧洲)に伝えた。
鳴戸親方は加害者に事実関係を確認後、鏡山コンプライアンス部長(元関脇・多賀竜)に報告。鏡山部長から報告を受けた八角理事長(元横綱・北勝海)は、コンプライアンス委員会の青沼隆之委員長に事実関係の調査と処分意見の答申を委嘱した。加害者は、師匠の判断で初場所の出場を自粛し、現在は自宅で謹慎している。
被害者本人と両親に被害届けを出す意志はなく、鳴戸部屋で今後も相撲を続ける意志があるという。協会はこの日、調査概要の中間報告を行った。2月8日の臨時理事会で、親方を含む関係者らの処分を決める方針とした。