テニスの4大大会・全豪オープンは23日、女子シングルス準々決勝で世界ランク4位の大坂なおみ(日清食品)が同7位のエリーナ・スビトリナ(ウクライナ)を6-4、6-1で下し、初の4強進出を決めた。盤石の戦いぶりで72分で圧勝を演じたが、大坂の感情が揺れる珍事があった。ゲーム奪取直後にハエのような虫に追いかけられ、びっくりして逃走。なんとも“女王”らしからぬ、実際の瞬間を大会公式ツイッターが動画付きで公開し、「助けて! ナオミ・オオサカがハエに攻撃される」と脚光を浴びせている。
実はこの試合の最大の敵は、虫だったのかもしれない。
第2セット第5ゲーム、スビトリナのショットがネットにかかり、大坂がこのゲームをモノにした瞬間だった。突如、ベースライン付近にいた大坂が驚いたように猛スピードでネット方向に駆け出した。怯えた表情で振り返りながらラケットを振り、手で何かを追い払おうとする。こんなタイミングでハエに追いかけられていたのだ。
チェアアンパイアの下まで行くと、審判の顔を見つめ、「ねえ、見て」とでも言うように自分の背中を指差し、ハエが止まっていないか、確認を求めた。優しい主審も丁寧に身を乗り出し、背中をチェック。どうやら止まってはいないようだが、それでも嫌だったのか、大坂は何度も背中を覗き込むように振り返りながら、自分のベンチへ戻っていった。
「ヘルプ! ナオミ・オオサカがセンターコートに出現したハエに攻撃される」
圧巻のテニスを演じながら、見舞われた珍事に大会公式ツイッターも脚光を浴びせた。「ヘルプ! ナオミ・オオサカがセンターコートに出現したハエに攻撃される」とつつっで動画付きで公開。やや過剰な驚きにも見えるが、テニスの圧倒ぶりとは対照的な怯えっぷりに絵文字をつけてユーモラスに紹介し、ファンに笑いを起こしていた。
試合はわずか72分で締めくくり、世界ランク7位の難敵を圧倒してセミファイナル進出を決めた大坂。今大会もプレー中のひとコマ、試合後のインタビューの“ナオミ節”など、様々な言動で笑いを起こしている。今回は予期せぬ“襲撃”を受けたが、結果のみならず、話題を振りまいてくれるのは21歳が持つスター性の裏返しかもしれない。