台風12号 強い勢力保ったまま本州へ 早めの避難検討を
2018年7月27日 15時07分
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強い台風12号は、本州の南の海上を北寄りに進み、この時間、小笠原諸島に最も近づいていて、暴風や高波に警戒が必要です。台風は強い勢力を保ったまま28日以降本州に上陸するおそれがあり、西日本豪雨の被災地でもまとまった雨が降る見込みです。土砂災害や川の氾濫などに警戒し早めの備えを進めてください。
気象庁の発表によりますと、強い台風12号は、午後3時には、父島の東南東200キロの海上を1時間に25キロの速さで北東へ進んでいるとみられます。中心の気圧は965ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は55メートルで、中心から半径130キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。
台風はこの時間、小笠原諸島に最も近づいていて夕方にかけて猛烈な風が吹き、海上は大しけになるほか、雷を伴って1時間に30ミリ以上の激しい雨が降るおそれがあります。
気象庁は、小笠原諸島では、暴風や高波、それに大雨による土砂災害に警戒するよう呼びかけています。
その後、台風は速度を上げながら28日の午後に伊豆諸島に近づき、その後も強い勢力を保ったまま28日夜から29日にかけて本州に上陸するおそれがあります。
28日からは関東甲信や伊豆諸島、東海で1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降るほか、29日にかけて東日本と西日本の広い範囲で大雨となるおそれがあり、西日本豪雨の被災地でもまとまった雨が降る見込みです。
28日の昼までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで、
▽伊豆諸島で200ミリ。
▽関東と東海で150ミリ。
▽甲信で130ミリ。
▽四国で100ミリと予想されています。
その後も雨が続き、28日の昼から29日の昼にかけての24時間に降る雨の量は、
▽関東甲信で300ミリから500ミリ。
▽東海で300ミリから400ミリ。
▽伊豆諸島と近畿、中国地方で200ミリから300ミリ。
▽四国で100ミリから200ミリ。
▽九州北部で100ミリから150ミリと予想されています。
台風の接近に伴って東日本と西日本でも28日には急に風が強まり、沿岸では猛烈な風が吹くおそれがあります。
28日にかけての最大風速は、
▽伊豆諸島と東海で40メートル。
▽近畿で35メートル。
▽関東甲信で30メートル。
最大瞬間風速は45メートルから60メートルに達する見込みです。
また、海上の波の高さは、伊豆諸島と関東、東海で9メートルと猛烈にしける見込みです。
また、いまは1年で最も潮位が高い時期で高潮が起きやすくなっています。
今回の台風は西寄りの異例のコースを進むと予想されていて、気象庁は、台風が通過したあとでも南から湿った空気が流れ込んで大雨が続いたり、波がさらに高くなったりするおそれがあるとしています。大雨による土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、暴風や高波、高潮に警戒するよう呼びかけています。
西日本豪雨の被災地では少しの雨でも土砂災害や川の氾濫が起きるおそれがあり、危ない場所には近づかず、避難経路を確認するなど早めの備えを進めてください。
八丈島 午後からフェリー欠航の見通し
伊豆諸島の八丈島の神湊港では、午前9時半ごろ、停泊している大型の客船が、波に揺られて大きく上下に動いていました。
客船の運航会社によりますと、台風が接近していることから東京などからの団体客が急きょ、予定を繰り上げて帰ることになり、船に乗り込んだということです。
この運航会社では、台風の接近に伴って、27日午後から欠航になる便が出る見通しだということです。