新日本プロレス23日の山形大会で477日ぶりの復帰戦に臨む本間朋晃(41)が21日、「こけし(ダイビングヘッドバット)恐怖症」に陥っている現状を告白した。中心性頸髄損傷による長期欠場期間中に負傷箇所を徹底強化。しかし代名詞でもある必殺技につきまとうリスクへの恐怖心は完全に拭えていないという。不屈の男が放つ「こけし」はもう見られないのか――。
昨年3月沖縄大会で大ケガを負った本間は、必死のリハビリを経て地元・山形のリングに帰ってくる。復帰戦のカードは10人タッグマッチに決まり、盟友・真壁刀義(45)との共闘も実現する。「緊張してます。胸を借りる気持ちで頑張ります。僕は22年目の新人。2018年6月23日を僕のデビュー日に変えてもいいと思ってるくらいです」と目を輝かせた。
一時は選手生命は絶望的とまで言われたが、トレーニングで欠場前よりも筋量を増やし、頑丈な首をつくり直してきた。本間は「『プロレスラーは超人だよ』っていうのは見せたい。僕は奇跡的に運よく戻れるわけじゃないですか。戦うことで、同じ脊髄損傷者に希望を与えられたらなと思います。『本間が頑張れたなら、俺も、私も』って思ってもらえるよう頑張りたい」と決意を明かす。
とはいえ練習と試合は別物。実戦での体力面、試合勘については不安がつきまとう。さらに深刻なのは、本間の代名詞とも呼べるこけしが、練習再開後、一度もできていないということだ。「やめとけって言う人もいるとは思うんですけど、こけしなくして本間は語れないので。封印はもちろんしないんですけど。現時点では落ちられて…いや、飛べてないです。一回も」と表情を曇らせた。
決してこけしを多用したことが今回の負傷を招いたわけではない。だが恐怖心がコーナーポストから落ち…いや、飛ぶことを拒絶させてしまっている。「ぶっちゃけ、首は完治してるんです。首には怖さはないんですけど、こけしが怖い。だから医学的根拠としては技は受けれるし、こけしもできるはず。でも怖い…」
こけしなくして本間の完全復活は語れない。第2のプロレス人生の幕開けを、ハッピーな形で飾ることはできるのか。