台風22号は沖縄本島地方と鹿児島県の奄美地方を暴風域に巻き込みながら北上し、ところによって非常に強い風が吹き、断続的に激しい雨が降っています。沖縄県と奄美地方では29日明け方にかけて台風が通過し、大荒れの天気が続く見込みで、気象庁は暴風や高波、土砂災害、川の増水などに警戒するよう呼びかけています。
気象庁の発表によりますと、台風22号は午後3時には鹿児島県の与論島付近にあって、1時間に30キロとやや速度を上げて北へ進んでいると見られます。
中心の気圧は975ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートルで、中心から半径150キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。
この時間、沖縄本島地方と鹿児島県の奄美地方が台風の暴風域に入って、ところによって非常に強い風が吹き、断続的に激しい雨が降っています。
沖縄県うるま市で午後2時15分に41.5メートル、鹿児島県の沖永良部島で午後1時半ごろに37.6メートル、沖縄県の粟国空港で午後0時20分に34メートルちょうどの最大瞬間風速を観測しました。
台風はこれから29日明け方にかけて沖縄・奄美を通過する見込みで、台風の通過に伴って猛烈な風が吹き、海上は大しけとなるおそれがあります。
沖縄県と奄美地方、九州南部では、29日にかけて、最大風速が30メートル、最大瞬間風速が45メートルに達すると予想されています。
29日にかけての波の高さは、沖縄県と奄美地方、九州南部で8メートルの大しけが予想されています。
沖縄・奄美では29日にかけて局地的に非常に激しい雨が降るおそれがあり、29日昼までに降る雨の量は、いずれも多いところで奄美地方と九州南部で200ミリ、沖縄県で150ミリと予想されています。
気象庁は暴風や高波、土砂災害、川の増水、低い土地の浸水に警戒するとともに、落雷や竜巻などの突風に十分注意するよう呼びかけています。
台風は29日、さらに速度を速めながら日本の南の海上を東へ進む見込みで、西日本と東日本の太平洋側を中心に局地的に激しい雨が降るおそれがあります。
29日昼までに降る雨の量は、いずれも多いところで四国と近畿で150ミリ、九州北部と東海、伊豆諸島で120ミリと予想されています。
その後も雨量は増える見込みで、29日昼から30日昼までの24時間に降る雨の量は、伊豆諸島で100ミリから200ミリ、近畿と東海、関東、北陸で100ミリから150ミリと予想されています。
29日にかけての波の高さは、四国と近畿、東海、伊豆諸島の沿岸で6メートルの大しけが予想されています。
気象庁は、西日本と東日本の太平洋側を中心に29日以降、大雨や高波などに十分注意するよう呼びかけています。
宜野湾市などで3人けが
台風22号の影響で、沖縄県内では強風にあおられて転倒するなどして3人がけがをしました。
消防によりますと、28日午前8時前、宜野湾市志真志で、台風に備えるため自宅の外で作業をしていた50代の男性が強風にあおられて転倒し、背中を打つ軽いけがをしたということです。
午前9時前、那覇市銘苅では強風にあおられた女性が足をくじいて軽いけがをし、那覇市壷川では午後1時すぎ、70代の女性が転倒し軽いけがをしたということです。
沖縄と奄美で停電
台風22号の影響で、沖縄電力によりますと、28日正午現在、沖縄県のうるま市や今帰仁村などで合わせて2660戸が停電しています。
また午後2時現在、鹿児島県の奄美地方南部で合わせて5700戸が停電しています。
停電しているのは知名町と与論町のそれぞれ2200戸と、和泊町の1300戸だということです。
空の便 欠航相次ぐ(午前11時現在)
台風22号の影響で、国内の空の便は28日午前11時現在、沖縄を発着する便を中心に348便が欠航となっています。
これまでに欠航したり欠航が決まったりしているのは、全日空が那覇や福岡などを発着する便を中心に106便、日本航空が那覇や奄美大島などを発着する便を中心に41便、スカイマークが那覇と羽田などを結ぶ34便、ジェットスターが那覇と成田などを結ぶ14便、日本トランスオーシャン航空が那覇を発着する便を中心に58便、ピーチ・アビエーションが那覇や関西などを発着する12便、日本エアコミューターが鹿児島を発着する便を中心に57便、ソラシドエアが那覇と神戸などを結ぶ18便、バニラエアが那覇や奄美大島などを発着する8便の合わせて348便です。
航空各社は今後さらに欠航が増えるおそれがあるとして、ホームページなどで最新の運航情報を確認するよう呼びかけています。
船の便 離島などすべて欠航
台風22号の接近に伴い、沖縄本島や宮古島とそれぞれの周辺の離島を結ぶフェリーや高速船は28日、全便が欠航となりました。
鹿児島県では、鹿児島市と離島を結ぶ便を中心に高速船やフェリーなどの欠航が相次いでいます。