かつて前田日明と新日本プロレスで異種格闘技戦を戦い、日本の総合格闘技ブームのルーツとなった、日系三世の元キックボクサー、ドン・中矢・ニールセン(米国)が8月15日、バンコクにて亡くなった。57歳だった。
1986年、前田日明との激闘を繰り広げるニールセン
死因について、弟のジョン・ニールセンに取材をしたところ「脚が感染症にかかって、それが非常に悪化したんです。血液に毒素が入って腎不全になってしまいました。それで脚の手術を受けたのですが、手術中に心臓発作が起こって昏睡状態となり、再び心臓発作を起こして亡くなりました」とのこと。
ニールセンは1986年10月9日に両国国技館で前田と対戦し、激闘の末、5R逆片エビ固めで一本負けしたが、この一戦で前田は“新・格闘王”と呼ばれることになり、その後、立ち上げた新生UWFが一大ブームを巻き起こした。
ニールセン氏は前田戦後、藤原喜明や山田恵一と対戦してKO勝ち。佐竹雅昭とも対戦。佐竹も、このニールセン戦をきっかけにスターとなった。
UFCがスタートした1993年にニールセン氏は引退。引退後はタイのバンコクでカイロプラクティック院を開いて活動。多くの人を癒してきた。
ニールセン氏は昨年も親戚を訪ねて日本を訪れていた。
「いつか前田にも会いたいね」と話していただけに、今回の逝去は残念でならない。
弟のジョン氏は「兄は日本で前田と闘ったことで素晴らしい体験ができた。日本のファンをとても愛していた。このことを日本のファンのみなさんに伝えてください」とメッセージを送った。