民放キー局5社の2017年3月期決算は、全社が増収だった。
視聴率が低迷したフジ・メディア・ホールディングス(HD)は4期連続で営業利益を減らした。フジ・メディアHD傘下のフジテレビは、レギュラー番組の不調でCM収入が減り、売上高、営業利益がともに5期連続で減少。利益確保のため制作費を削っており、視聴率への影響が懸念される。テレビ東京HDはアニメのネット配信が好調だったが、本社移転費用が利益を押し下げた。
TBSHDはドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のヒットでCM収入とDVD販売が業績を押し上げ、営業利益が15・7%増に。テレビ朝日HDは売上高が7期連続で増え、売上高と純利益は過去最高だった。
好調な局の業績にもスポーツ中継の放映権高騰が影を落とす。日本テレビHDはリオデジャネイロ五輪などの制作費がかさみ、営業利益が前年割れとなった。
■民放キー局5社は全社が増収(2017年3月期決算)
売上高 営業利益 視聴率(全日帯)
フジ・メディアHD 6539(2.1) 223( ▼8.5) 5.7%〈4〉
日本テレビHD 4167(0.5) 525( ▼1.2) 8.4%〈1〉
TBSHD 3553(2.0) 198( 15.7) 6.1%〈3〉
テレビ朝日HD 2958(5.4) 172( 4.3) 7.3%〈2〉
テレビ東京HD 1426(4.7) 63(▼12.1) 2.8%〈5〉
(億円。かっこ内は前年比増減率%、▼はマイナス。HDはホールディングス。視聴率はビデオリサーチ調べ、〈 〉内数字は順位)