夜だるま昆布長の、カウントギリギリ!(;゚д゚)(つд⊂)

Yahoo!ブログより移籍いたしました、夜だるま昆布長と申します。自身障がい者で、施設に通所しながら、日々アビリンピックの練習や、個人新聞を製作しています。Officeむいんぐ代表。林家木久扇名付け人です。山形県鶴岡市。

夜だるま話題

偽の情報が、検索サイトやソーシャルメディアなどで拡散していくうちに正しい情報を上回る影響力を持つようになる、「フェイクニュース」が世界的に問題になっています。日本でも去年、医療や健康に関する真偽不明の情報が大手ネットメディアに掲載されていたことが問題になりましたが、今もそうした情報は後を絶ちません。そのひとつが、若い女性を中心に話題になっている「塩水洗浄」というダイエット方法です。「大量の塩水を一気に飲んで腸内をキレイにする」というもので、医師は「内臓出血などで命に関わる危険もある」と警告しています。しかし…。
塩水で腸内洗浄
「塩水洗浄」ということばで検索サイトで調べると、「便秘解消に抜群の効果あり」「塩水洗浄で腸内デトックス」などダイエットに関する多くの記事が表示されます。内容はだいたい同じで、「空腹時に1リットル程度の塩水を一気に飲む」「するとおなかを下して、その結果、腸が『洗浄』される」などと説明しています。なかには、「正しく行えばとてもいいことばかりで、副作用はありません」と書かれた記事もありました。

ツイッターにも「体重が減った!」といった「体験談」が多く投稿され、中には3000回以上リツイートされた投稿もあります。その一方で「苦しい」「つらい」といった否定的な体験もありました。実際はどうなのでしょう。
ネット情報を信じて体調崩すネット情報を信じて体調崩す
東京都内に住む20代の会社員の女性は、便秘に悩まされていたところに、知り合いから「塩水洗浄」について教えてもらいました。念のため検索サイトで調べたところ、「おなかの痛みもなく安全」などの効果を説明した記事が上位に並んでいたため、「みんなやっているんだ」と安心したといいます。

そして休日の朝、サイトを参考に1リットルのミネラルウォーターに10グラムの塩を溶かして一気に飲んだところ、胸が苦しくなり、立っていられないほど気持ちが悪くなったといいます。横になっても、我慢できずトイレに駆け込んでおう吐したあと、激しくおなかを下すなど苦しみが続き、体調が回復したのは翌日の昼でした。女性は「あれだけの塩水を一気に飲めば気持ち悪くなるのは当然ですが、あのころはネットの情報を疑いませんでした」と話しています。
医師は「どう見ても危険」医師は「どう見ても危険」
塩水洗浄についての複数のサイトを見た筑波大学の徳田安春客員教授は、「どう見ても危険だ」と指摘しました。

徳田教授は、「これだけ大量の水分と塩分をとった場合、胃と腸が急激に膨れるので耐えきれず吐いてしまう。場合によっては、胃と食道のあいだの粘膜が切れて大量に出血し、吐き出してショック状態に陥ることもありえます。もしその人の心臓や腎臓、肝臓の機能が落ちていた場合は、心不全や呼吸不全、腎不全、あるいはおなかに水がたまる、全身がむくんでしまうといった副作用のおそれがある」と危険性を訴えました。

さらに、「たとえ健康な人でも長期的に実施した場合は、塩分の取りすぎで病気になってしまうでしょう。そもそもこの方法は腸内で消化を助ける菌も根こそぎ流してしまうので、かえって腸の働きを弱めてしまう」と、肝心のダイエット効果についてもきっぱり否定しました。
医師の監修は?取材に対し…医師の監修は?取材に対し…
塩水洗浄は安全でダイエット効果があるという記事を掲載していた複数のサイトに、危険性の認識などについて取材を申し込みました。

このうち、生活総合情報サイト「All About」に塩水洗浄の方法の記事を書いた、ダイエット指導者の女性は「自分も何度も塩水洗浄をやっているし、顧客にも行うよう指導しているが、これまで体調を崩した人はいない」と回答しました。医師など専門家に確認しなかったのか尋ねると「ダイエット方法だったので、医師の監修は必要ないと思った」とのことでした。

記事を掲載していた「All About」にも取材したところ、「当該の記事についてはダイエット方法として捉えていたので、医師の監修の必要性は感じていなかった。しかし今回の指摘を受けて編集部としても当該記事の内容を再考し、対応方法を検討する」と回答。その後、該当する記事には、「急激な塩分摂取等、誤った方法による実践は体調不良を引き起こす危険性も指摘されています。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮したうえで、正しい方法でおこなってください。」という注意喚起の文が入りました。医師に監修を依頼しており、危険と確認が取れた場合は記事を削除するということです。

このように取材を受けて対応したサイトもあれば、回答がなかったり、そもそも問い合わせ先が記載されていなかったりするサイトも多くありました。
危うい「ダイエット記事」なぜ今も
去年、医療や健康に関する真偽不明の多くの情報が、ディー・エヌ・エーが運営する「WELQ」など、複数のネットメディアに掲載されていたことが問題になり、ディー・エヌ・エーは運営していたメディアの閉鎖に追い込まれました。

しかしその後も「塩水洗浄」のような記事は後を絶ちません。その背景には、特に「ダイエット」の記事について、記事の書き手やサイトの運営者の間に、医師など専門家の監修が必要という認識がまだ薄いことが挙げられます。

偽の情報=フェイクニュースについては、書き手やサイト運営者だけでなく、拡散に「加担」する検索サイトやソーシャルメディアの責任も追及されています。今月、グーグルは日本語の検索結果に信頼性の低い情報が上位に表示されないよう「アルゴリズム」を変更し、フェイスブックはマスメディアなどと連携してフェイクニュースを排除する取り組みを進めています。フェイクニュースをネットから排除することができるのか、記事の書き手と、サイトの運営者、プラットフォーム、メディアなど、多方面が連携した取り組みが必要となっています。

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