東京都の舛添要一前知事の辞職に伴う都知事選(14日告示、31日投開票)で、山口敏夫元労相(75)が5日、都庁で会見し出馬を表明した。ジャージー姿で現れた山口氏は「都知事は(都以外の)46の府道県にも影響する職責。与党の候補者選びのプロセスを見ていると国民、都民を愚弄(ぐろう)している。政治家のOBの一人として憤怒の気持ちが高まっておりました」などと述べた。無所属で出馬する。
山口氏は昨年12月、2020年東京五輪パラリンピックを現体制で行うことを批判する「2020年の東京オリンピック パラリンピックが危ない!」と題した冊子を作成。今年5月31日から6月17日まで新宿駅西口で連日にわたって、五輪パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相、日本オリンピック委員会会長の竹田恆和氏、舛添要一前都知事の3者の辞任を訴えていた。
山口氏は出馬に向けて「肉を切らせて骨を断つ覚悟のもとだ。崖から落ちるとか、東京スカイツリーから落ちるとか、悲観的なことではなく、私は地獄の底の一丁目で、閻魔(えんま)様とも面談してきた学識経験者」と訴えた。告示の14日から新宿駅西口で辻立ちをする予定。
山口氏は1967年に衆議院議員に初当選し、10期務めた。1995年に東京協和、安全の旧2信用組合(ともに解散)の乱脈融資事件(二信組事件)で背任、詐欺などの罪に問われ、2006年に懲役3年6月の実刑が確定した。今年、政治団体「国民主権の会」を設立した。
「私はクリーンとは言いませんが、私のような人間でないと問題を解決できない」と山口氏。「監獄より生還した『政界の牛若丸』」をキャッチフレーズに支持を呼び掛ける。