自身が勤務する酒田市内のタクシー会社事務所に31日未明、強盗が押し入ったように装い、事務所内の金庫から売上金約51万円などを盗んだとして、酒田署は同日、窃盗の疑いで、酒田市上安町3丁目、会社員佐藤育生容疑者（44）を逮捕した。佐藤容疑者は、会社の事務所内に押し入ってきた男にビニールひもや粘着テープで縛られた上、現金を奪われたと、同署に虚偽の強盗被害を申告。不自然な点があったことから事情聴取を受けていた。「金に困っていた」と容疑を認めている。
逮捕容疑は佐藤容疑者は31日未明、酒田市二番町の港タクシー（岡部光子社長）事務所内の金庫に保管されていた売上金約51万円と納金袋25点（時価計2500円相当）を盗んだ疑い。盗んだ現金は会社敷地内に駐車していた佐藤容疑者の車内で見つかった。
佐藤容疑者は当初、同署に対して強盗被害を装い、犯人像について「年齢が40代。身長170～175センチ、体型は中肉。黒い上下の服とニット帽、サングラスを身に着けていた」と説明。発生時の状況に関しては「午前5時15分ごろ1人で無線で配車対応をしていた際、男が事務所出入り口から入ってきた」と述べていた。
被害状況は「顔に白っぽい粘着テープを巻き付けられ、両手足をビニールひもで縛られた」とし、その後、事務室内にある金庫（高さ約50センチ、幅約40センチ、奥行き約30センチ）の南京錠が壊され、中にあった現金を奪って逃げたと、虚偽の申告をしていた。佐藤容疑者はタクシー無線で助けを求め、駆け付けた同僚が通報していた。
佐藤容疑者は現場で山形新聞の取材に対し、「一瞬のことで分からなかった」などと話していた。
現場は酒田市役所に近い県道吹浦酒田線沿いで、雑居ビルの1階。同署は酒田市内外に緊急配備を敷いて検問などを実施。付近は騒然となっていた。
