「ノルディックスキージャンプ・サマージャンプ蔵王大会」（２０日、アリオンテック蔵王シャンツェ）
【写真】笑顔を見せる高梨沙羅
夏季のサマージャンプ大会としては同会場で初めて開催された。女子は、五輪３大会出場の高梨沙羅（２５）＝クラレ＝が今季初戦に臨み、９１・５メートル、９５メートルの合計１９０・７点で２位だった。
雨が降りしきる蔵王で、新たな一歩を踏み出した。１０００人を超え、入場制限が掛かるほど観客が詰めかけた中、元気に飛行する姿を披露し、温かな拍手に包まれた。「こんなに悪天候の中でもたくさんの方が集まってくださって、自分の中ではいいジャンプを飛べなかったのが申し訳ない気持ちだが、飛んでいる自分としてはすごく幸せな気持ちにさせてもらえた。次はいいジャンプをして楽しんでもらえるような試合をしたい」と笑顔を見せた。
高梨は個人、団体ともに表彰台を逃した失意の北京五輪（２月）を経て、シーズン終了後は進退を熟考。６月にはＳＮＳ上で現役続行の意思を表明し、７月には「まだそこ（北京五輪）で終わっちゃいけない気がして、ジャンプを続ける選択をした。五輪の失敗は五輪じゃないと消化できない気がしている」と、２６年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪挑戦を視野に入れる考えを示した。
久々の実戦で緊張感の中でジャンプしたが、現在は模索中とあって「反省点が多かった」。それでも観客からの温かな拍手に包まれ、「飛び終わった後に（観客の）反応を見られるというか、楽しんで見てくださっているんだなっていうのを見ると私もうれしいし、ジャンプをしている理由にもなっている。盛り上がってもらえるジャンプをしたい」と今後に向けて前向きに語った。
