快挙がかかった一戦でも、いつもの巨人・菅野智之投手(30)だった。試合開始の時点で、開幕から7連勝中。勝てば、球団では1990年の斎藤雅樹以来の8連勝となるマウンドで、着々とゼロを並べた。 「先頭をしっかり抑えて、球数を少なく長いイニングを投げたい。精いっぱい頑張ります」。まさに宣言通り。中5日のマウンドでも立ち上がりから直球と変化球のコンビネーションがさえた。7回まで先頭打者は一人も出さない。2回に2死から木浪に右中間二塁打を浴びたが、続く植田を一塁へのゴロに切って取り、ピンチを脱した。 6、7月は6試合に登板し、5勝無敗。抜群の成績で自身7度目となる月間MVPを受賞した。菅野は「狙って取れるものではないので素直にうれしい。若干の運と、自分だけの力ではなく周りの支えがあってこそ。自分なりにいろんな人に感謝を伝えたい」。新型コロナウイルスの影響で今年は異例のシーズン。野球ができる喜びをかみしめながらのマウンドが続いている。原監督も「非常に安定感もあるし、本当にけん引してくれているという風に思っています」と絶賛するシーズンになっている。 打線も阪神の先発・高橋に苦しみながらも、4回に4番・岡本の17号ソロで1点を先制。しびれるような投手戦で、巨人のエースがエースたるゆえんを虎に見せつけた