【サンパウロ時事】新型コロナウイルスを「ちょっとした風邪」と軽んじてきたブラジルのボルソナロ大統領(65)は7日、首都ブラジリアの大統領公邸で記者団に対し、自身の新型コロナ検査で陽性反応が出たことを明らかにした。
症状は軽く、公邸からビデオ会議などで執務を続けるという。 ボルソナロ氏は「驚いていない。国民とダイナミックに触れあう仕事であることを考えると、既に感染したと思っていた」と述べた上で、「恐れる必要はない。これが人生だ」と強調した。同氏によると5日に体調不良を感じ、6日に疲労や筋肉痛、38度の発熱があったため検査を受けた。現在は新型コロナへの効果が証明されていない抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」を服用しているという。 ボルソナロ氏はこれまで新型コロナを軽視し、「私はかつてスポーツをしていたから感染しても心配ない」などと述べていた。州や市が感染拡大防止策として進めた経済規制について、この日も「経済が機能しなければ自殺など別の原因で死ぬ人が出てくる」と批判した上で、州や市が耐えきれずに経済再開に動いている状況を指して「われわれが正しかったことが明らかになった」と胸を張った。 ボルソナロ氏はたびたび公の場にマスクなしで登場。6月22日には裁判所から着用を命じられる一幕もあった。米独立記念日の今月4日には、外相らとともに駐ブラジル米大使公邸を訪問。マスクなしで大使らと談笑していた。 最近のボルソナロ氏はマスクを着用するようになっており、7日の会見でもマスク姿で現れた。ただ、最後は外して意地を見せた。 ブラジルでは7日までに約167万人の感染が確認され、約6万7000人が死亡。ともに米国に次いで世界で2番目に多い。