自民党の河井案里参院議員（46）＝広島選挙区＝が初当選した2019年参院選で、車上運動員に違法な報酬を支払ったとして公職選挙法違反（運動員買収）に問われた案里氏の公設第2秘書、立道（たてみち）浩被告（54）の判決が広島地裁で16日あり、冨田敦史裁判長は懲役１年６月、執行猶予５年（求刑・懲役1年6月）を言い渡した。この判決が確定すれば、案里氏の当選無効につながる連座制が適用される可能性もある。
検察側は被告が「組織的選挙運動管理者等」に当たるとして、迅速な審理を求める「百日裁判」を地裁に申請。執行猶予を含む禁錮刑以上の有罪が確定し、広島高検が起こす別の行政訴訟で連座制の適用が認められれば案里氏の当選は無効となり失職する。
弁護側は公判で、従属的な立場の被告は「ほう助犯にとどまる」と訴え、連座制が適用されない罰金刑を求めていた。今後、控訴するか検討するとみられる。
起訴状などによると、被告は案里氏の夫克行前法相（57）＝自民・衆院広島3区＝の元政策秘書（43）＝公判中＝と共謀。参院選投開票日前後の19年7月、車上運動員14人に公選法が定める日当の上限（1万5000円）を超える報酬計204万円を支払ったとしている。
