幕内格行司の式守与之吉(49=宮城野)が、ギラン・バレー症候群を克服して土俵に戻ってくる。今年の初場所から5場所連続で休場中。今場所は、事務方として国技館に出勤できるまでに回復した。「九死に一生を得ました。本場所は、九州場所から土俵に上がります」と声をはずませた。
発症したのは、昨年12月8日の宮崎市巡業の朝。四肢に力が入らなくなる病気で、突然顔が洗えなくなった。緊急帰京して入院。原因は不明で、羽田空港につくころには自力で歩けなかった。5日間点滴を受け、リハビリ開始。「寝たきりの時はこたえました。復帰できないと、半分以上はあきらめていました」。一時は体重が10キロ以上も減った。4月から歩けるようになったが、大相撲中継は見る気になれなかった。「自分が土俵に立つ時間は心苦しくて、気の焦りもありました」と振り返った。
6月14日に退院。再発の恐れはもうない。これまで病名は伏せられていたが「なってしまったものですし(公表は)問題ありません」と表情は明るい。30日の日馬富士引退相撲から土俵に立つ予定で「楽しみも不安も半々です。初心に戻る感じですね」と話している。