政府が首相や皇室の外国訪問などに使用している政府専用機について、2019年度から使用する後継機が、今年8月に航空自衛隊千歳基地(千歳市)に配備されることが1日、分かった。専用機は2機で運用され、千歳基地に常駐して空自特別航空輸送隊が運航を担っている。更新は1991年の導入以来初めて。政府関係者が明らかにした。
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胴体部に流線形の赤いライン
後継機は米大手航空機メーカー・ボーイングの「777―300ER」。現行機よりやや大きい全長73・9メートルで、主翼と垂直尾翼に日の丸、胴体部に流線形の赤いラインが描かれる。エンジンは4基から2基となり、大幅な燃費向上が見込まれている。
後継機は現在スイスで内装を工事中。1号機が8月、2号機は12月に千歳に到着する予定だ。既にパイロットや整備員、空中輸送員の訓練が始まっており、19年4月から使用される。
現在の専用機は「ジャンボ」の愛称で親しまれたボーイング747。更新は747の民間での運航終了に伴い当初20年度の予定だったが、整備を担っている日本航空で整備士の確保が困難になったことなどから19年度に前倒しされた。
緊急時には在外邦人の輸送も
政府専用機は要人の輸送用に総理府(現内閣府)が1991年に導入した。防衛庁(現防衛省)に所属替えをしたことに伴い、93年に航空自衛隊千歳基地に特別航空輸送隊が編成され、現在も運航管理を担っている。トラブルに対応できるよう2機で運用している。緊急時の在外邦人の輸送も目的の一つで、2013年にはアルジェリア人質事件の際に犠牲者遺体の搬送に使用された。