プロボクシングのWBCは31日(日本時間1日)、ドーピング疑惑の世界バンタム級王者のルイス・ネリ(22)=メキシコ=ついて、禁止薬物を意図的に摂取した確証が得られないとして、前王者の山中慎介(35)=帝拳=との再戦の交渉を行うように指示した。
8月15日に京都で行われた山中の13度目の防衛戦で4回TKO勝ちしたネリは試合から1週間後の22日、VADA(ボランティア・アンチドーピング機構)が試合前の7月27日にメキシコ・ティファナで実施した抜き打ち検査により、筋肉増強作用があるジルパテロールに陽性反応を示したことが判明した。ネリ陣営はメキシコでのトレーニング中に食べた牛肉などが原因として疑惑を否定していた。
WBCは調査の結果、過去に違反がなく、日本での3度の検査はいずれも陰性だったことなどから、ネリが意図的に禁止薬物を摂取したとの確証を得られなかったと判断。食事に含まれていた物質が原因と結論付けた。
ネリは4日、地元ティファナでアーサー・ビラヌエバ(28)=フィリピン=とノンタイトル戦を行う。