北朝鮮国営メディア「主権を侵害」 マレーシアの対応非難
2月23日 7時22分
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏がマレーシアで殺害された事件で、北朝鮮は初めて国営メディアを通じての反応を出し、遺体がキム・ジョンナム氏であるかどうかには触れず、「マレーシア側が司法解剖したことは、われわれの自主権を露骨に侵害している」として、マレーシア側の一連の対応を非難しました。
これは北朝鮮国営の朝鮮中央通信が23日朝、「朝鮮法律家委員会」の報道官談話として伝えたものです。
それによりますと、キム・ジョンナム氏がマレーシアで殺害されたことについて、「外交官用のパスポートを所持する、わが国の国民が突然、ショック状態に陥って、病院に移送される途中に死亡した」として、遺体がジョンナム氏であることには触れませんでした。
そして、「大使館は死亡者が外交官用のパスポートを所持していたことから、治外法権の対象であることを明らかにした」としたうえで、マレーシア側が遺体を司法解剖したことについて「われわれの自主権を露骨に侵害している」として非難しました。
さらにマレーシアの警察による捜査について「客観性と公正性がなく、疑惑をわれわれにかぶせようとしている」として批判しました。
事件をめぐっては、現地の北朝鮮大使館がマレーシア側の対応を強く非難していますが、北朝鮮が国営メディアを通じて反応を示したのは、これが初めてです。