1960年代から70年代にかけてプロ野球広島の主軸打者として活躍し、ロッテ監督などを務めた山本一義(やまもと・かずよし)さんが9月17日午後9時4分、尿管がんのため広島市の病院で死去したことが3日、分かった。78歳だった。広島県出身。告別式は家族葬として済ませた。
9月10日に広島が25年ぶりのセ・リーグ優勝を果たし、祝賀ムードに水を差したくないとする故人の意向で、遺族が公表を控えていたという。
広島商高から法大を経て、61年広島入団。強打の左打者として1年目から89試合に出場した。15年間で5回、打撃10傑入り。タイトル獲得はならなかったが、ベストナインに2回選ばれ、オールスター戦にも5回出場した。
広島がリーグ初優勝した75年限りで現役を引退。通算1594試合、1308安打、打率2割7分、655打点、171本塁打だった。
引退後は広島や近鉄(現オリックス)などのコーチを経て82年から2年間、ロッテ監督を務めた。
卓越した技術理論と美しい打撃フォームで知られ、熱心な指導で高橋慶彦、金本知憲ら多くの打者を育てた。