指定暴力団住吉会系組長らによる療養費や診療報酬の詐取事件で、患者の診療回数を水増しするなどして診療報酬をだまし取っていたとして、警視庁組織犯罪対策4課は9日、詐欺容疑で、東京都内のクリニック元院長の脇坂英理子容疑者(37)ら2人を逮捕、歯科医の重松武被告(58)=同罪で起訴=ら2人を再逮捕した。
組対4課によると、脇坂容疑者は「弁護士が来るまで話しません」と認否を留保している。脇坂容疑者は医師のかたわらテレビ出演も多く、ホストクラブで豪遊する姿も放映されていた。
脇坂容疑者は平成24年6月に内科や美容などを扱うクリニックを開院。重松容疑者の紹介で、間もなく診療回数水増しなどの診療報酬の不正請求を始め、26年11月に閉鎖するまでに自治体などに請求した計約6900万円の診療報酬の大半が不正だったとみられる。
組対4課は、だまし取った診療報酬の一部がクリニックの運転資金のほか、脇坂容疑者の遊興費などにも使われていたとみている。
逮捕容疑は24年11月~26年9月、患者を複数回診療したと偽り、国民健康保険を運営する東京都内の自治体などから診療報酬計約155万円をだまし取ったとしている。
事件をめぐっては組対4課が昨年11月以降、詐欺容疑で住吉会系組長、三戸慶太郎被告(50)=同罪で起訴=や接骨院関係者ら20人超を逮捕している。