山形、宮城両県にまたがる蔵王山で火口域周辺に出されている噴火警報について、仙台管区気象台は2日、火山活動が現状のまま推移した場合、早ければ来週にも解除する方針を示した。先月12日以降、火山性地震・微動は小康状態で、今後、警報解除に向けて最終的な判断をする。2日に仙台市内で開かれた蔵王山火山防災協議会の会合後、同気象台の担当者が明らかにした。
同気象台はマグマや地中の熱水が移動した際の震動を示す火山性微動や火山性地震など、噴火の前兆現象が、おおむね1カ月間収まっている状態が続いていることが、警報解除を判断する目安としている。先月12日以降、火山性地震は1日当たり0～6回に収まっており、火山性微動は1回しか観測されていない。
蔵王山では、4月7日ごろから火山性地震など火山活動が活発化。同13日、同気象台は小規模な噴火が起きる危険性が高いとして、御釜を取り囲む馬の背カルデラの内側を想定火口域とする噴火警報（火口周辺）を発表した。解除されれば、2カ月、開通が遅れている山岳観光道路「蔵王エコーライン」が通れるようになる。
