岐阜県域のFMラジオ放送局で、債務超過による経営難に陥っていた岐阜エフエム放送(岐阜県大垣市、金川五朗社長)は19日、自主再建を断念し、3月末で解散すると発表した。放送事業は今後、同局が加盟する系列のキー局、エフエム東京やエフエム愛知が新設した会社が引き継ぐ。
総務省によると、民放FM局の放送事業の譲渡の例としては福岡、兵庫の両県であるが、系列局を挙げての支援は異例という。エフエム愛知は「ラジオは災害時の情報インフラでもある。同じネットワークとして支援することにした」と説明している。
新会社「エフエム岐阜」(大垣市)は昨年8月、エフエム東京、愛知の2局のほか、民放FM38局に番組を供給する「ジャパンエフエムネットワーク」の出資で設立。今年1月末に放送免許の承継を同省に申請した。岐阜エフエムの中継局やスタジオなどの設備、従業員はほぼ引き継ぐ。
岐阜エフエムは2000年、地元の新聞社や岐阜県などが株主となって設立し、01年4月に開局。7億-8億円の初期投資や金融機関からの借入金返済が重荷となり、03年から債務超過に陥り、13年9月期で約3億円の債務超過だった。ここ5年は単年度収支は黒字だったが、「放送の継続には経営の立て直しが不可欠と判断した」という