日本相撲協会は30日に臨時理事会を開き、大麻の使用が判明した十両・貴源治(常盤山)を懲戒解雇処分としたことを発表した。師匠の常盤山親方(元小結・隆三杉)は監督責任を問われ、委員から年寄への2階級降格の懲戒処分となった。
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協会発表によると、貴源治は7月17日頃、愛知県北名古屋市またはその周辺において、大麻取締法において規制の対象とされている大麻たばこを吸引して使用。同18日には尾車コンプライアンス部長(元大関・琴風)から大麻の使用について事実関係の確認を受けた際に「大麻を使ったことはない」旨のうそをついた。
八角理事長(元横綱・北勝海)の委嘱を受けたコンプライアンス委員会は「大麻の使用は著しく協会の信用及び名誉を毀損(きそん)するものである上、協会の薬物使用禁止規定では、大麻の使用自体を禁止するとともに、同規定に違反した場合は原則解雇処分とすることを定めている」と指摘。また貴源治は19年9月に新弟子への暴言があったため、けん責処分を受けている。コンプラ委は「厳しく自らを律することが求められていたにもかかわらず、その処分から2年も経たないうちに、今度は違法薬物の使用行為にまで及んだものである。加えて薬物検査における大麻陽性の診断結果を突きつけられるまで、協会の事情聴取に対し、大麻を使ったことはない旨の嘘を言って大麻使用の事実を否認した態度も許し難い」と厳しく断じた。
また調査で、貴源治が大麻たばこの吸引を含め過去に8回程度大麻使用の事実があったと供述したという。コンプラ委は本人の反省の様子は認めながらも「処分を軽減するほどの特別の事情と評価することはできない」とし、懲戒解雇処分とするのが相当と判断した。
同部屋では貴ノ岩と、貴源治の双子の兄である貴ノ富士が暴行問題で引退している事実もある。師匠の常盤山親方は監督責任が問われるとともに、過去の処分も踏まえ委員から年寄への2階級降格が相当と判断された。
この日の理事会では貴源治と常盤山親方に関し、コンプライアンス委員会の答申通りの処分を決定し、貴源治を懲戒解雇、常盤山親方を委員から年寄に降格とすることを、それぞれ本人に通知したという。相撲協会は今後の対応として「全協会員に対して、あらためて薬物使用の禁止を厳しく通知した。また、今後の対策として、全協会員への薬物研修及び薬物検査の実施を検討する」とした。