護送中に逃走の被告を確保 大阪市内で
東大阪市新町で9日、大阪地検が護送中のワゴン車から大植良太郎被告（42）＝覚せい剤取締法と大麻取締法違反などの罪で公判中＝が逃走した事件で、大阪地検は11日、大阪市内で被告の身柄を確保した。被告は、保釈の取り消しで地検に収容され、検察事務官が車内で片方の手錠を外した隙（すき）に逃走。地検と大阪府警が行方を追っていた。
地検などによると、大植被告は判決公判に繰り返し出廷せず、今月7日に保釈が取り消された。府警が大植被告を東大阪市内で発見し、地検は府警河内署で9日未明に身柄の引き渡しを受けた。
府警枚岡署での留置のために事務官3人が車で護送していた9日午前4時ごろ、大植被告は車内で「手錠がきつい」と訴え、事務官がかけ直そうと左手の手錠を外した。直後に被告が暴れてドアを開けたため、路上で停車。被告は、取り押さえようとした3人を振りほどき、腰縄と右手に手錠が付いたまま走って逃げたという。
捜査関係者によると、翌10日にはJR大阪駅北側に位置する大阪市北区中津付近で、大植被告に似た男が目撃されていたことが判明。大植被告は逃走の間に知人の男の車を使ったとみられ、府警は被告を一時、かくまった疑いが強まったとして、この知人の男を犯人蔵匿容疑で逮捕した。
大阪地検では、10月30日にも収容予定だった女が岸和田支部から逃げ出し、2日後に身柄を押さえられる事案が起きたばかりだった。地検は、大植被告の護送に当たった事務官らの対応が適切だったかどうかについても調べている。
