大相撲の横綱審議委員会がおよそ半年ぶりに開かれ、矢野弘典委員長は、この1年で場所の半分以上も休場している白鵬と鶴竜の両横綱に対して「第一人者であるという自覚を徹底してほしい。ほかの力士よりも一段高い自己規制の基準を持つべきだ」と厳しい見方を示しました。
横綱審議委員会は、ことし1月に定例の会合を行って以降、新型コロナウイルスの影響で会合の中止が続いていましたが、28日およそ半年ぶりに開催され、東京 両国の国技館で日本相撲協会の八角理事長から報告を受けました。
27日千秋楽を迎えた秋場所は、白鵬と鶴竜の両横綱がともにけがのために休場し、26年ぶりに初日から横綱不在の場所となっただけでなく、この1年では白鵬が3回、鶴竜が4回にわたって休場しています。
こうした両横綱について、横綱審議委員会の矢野委員長は「二横綱は過去1年を振り返っても断続的に休場が続いていて場所をまっとうしたということが少ない。横綱は第一人者であるという自覚を徹底してほしい。ほかの力士よりも一段高い自己規制の基準を持つべきだ」と相次ぐ休場に厳しい見方を示しました。
横綱審議委員会は、成績の伴わない横綱に対して「激励」や「注意」、それに「引退勧告」といった決議をすることができますが、矢野委員長は「委員からは『決議をする』というような大変厳しい意見も出てきたが、今場所はそこまで踏み込まず、横綱の自覚を待ってそれを注視していこうということになった。来場所の様子を見て、委員ともよく相談して方向を決めたい」と述べ、来場所以降の成績次第では何らかの決議をする可能性があるという見方を明らかにしました。
一方、横綱不在の場所で優勝し、大関昇進を確実にした関脇 正代については「以前から大器と言われていた力士で、ようやく花が咲いたと思う。来場所は三大関になると思うがさらに上を目指して競って励んでほしい」と高く評価していました。