経済産業省は20日、会社更生手続きに入った造船会社「ヤマニシ」(石巻市)と、破産手続き中の老舗百貨店「大沼」(山形市)の連鎖倒産を防ぐため、中小企業の資金繰りを支援する「セーフティネット保証制度」の適用を決めた。
信用保証協会の融資保証枠(普通保証2億円以内など)が特例で2倍となり、金融機関からの融資が受けやすくなる。対象は50万円以上の売掛金債権がある企業など。期間は約1年間。
保証制度を巡っては、石巻、山形両市などが早期適用を要請していた。石巻市産業部の吉本貴徳部長は「ヤマニシの新造船の業務が止まり、関連企業は仕事がない状況が続いている。制度の適用を受けて資金繰りが改善する」と話した。
ヤマニシは主力の新造船事業の不振などで財務が悪化。2019年3月期の債務超過は約42億円に上った。負債額は約123億円。経営が悪化していた大沼は米沢店の閉店などで自主再建を図ったが、集客が回復せず、事業継続を断念した。負債総額は約30億円。